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作品解説
フランス映画界の総力を挙げて製作された永遠の傑作 デジタルリマスターで美しくよみがえるジェラール・フィリップの代表作 赤と黒 デジタルリマスター版
赤は軍服、黒は僧衣… 自らの美貌と才知を武器に貴族社会に挑んだジュリヤン・ソレル。愛さえも野心の道具にした彼が、最後に知ったのは…
1954年、フランスの文豪スタンダールの小説『赤と黒』が、名匠クロード・オータン=ララ監督によってオール・カラー文芸超大作として映画化された。 その年の興行成績洋画部門で第10位になった本作は、数あるジェラール・フィリップ出演作品の中でも彼の代表作としてひときわ輝きを放っている。 「ジュリヤン・ソレルの複雑な心理を演じられる俳優は君しかいない」、とオータン=ララ監督はフィリップをおよそ8年にわたって口説き続けた。 役柄と実年齢の差や、歴史的名作への畏敬の念から幾度か依頼を辞退したジェラールだったが、監督の絶えざる熱烈なオファーに折れ、遂に出演を決意したという。 ある種の覚悟をもって挑んだ本作で、ジュリヤンを単なる野心家ではなく、内に脆さを抱える人物として造形したその演技により“希代のジュリヤン・ソレル役者”と絶賛されることとなった。それは、映画公開から50年以上経過した現在でも本作が再映画化されていないという事実からも証明される。共演のダニエル・ダリューの気高さと清楚さ、当時新人だったアントネラ・ルアルディの溌剌とした演技も作品に品格と華を添え、見逃せない一作となっている。
story
 1820年代の小都市ヴェリエール。職人の息子ジュリヤン・ソレルは、貧しい環境に育ちながらも、ラテン語を得意とする聡明な青年であった。 シェラン司祭の推薦で町長レナル家の家庭教師となったジュリアンは、レナル夫人に思いを寄せ、二人はいつしか人目をしのぶ恋仲になる。 しかし、立身出世の夢を抱いていた野心家のジュリアンはスキャンダル発覚を恐れ、当時出世への近道であった神学校へと旅立つ。

 才気はあるが人並みはずれて強い野心を抱くジュリアンを心配した神学校のピラール司教は、ラモール公爵にパリへ招かれた折に彼を同行させる。 ラモール公爵邸で秘書となったジュリアンは、気位の高い侯爵令嬢マチルドの心を射止める。マチルドとの結婚を許され、中尉となるジュリアン。 ところが、レナル夫人の手紙がジュリアンの幸福を引き裂いた。侯爵から家庭教師時代の行いを問われた夫人は聴悔師に言われるまま、彼の罪深さを告発したのだ。

絶望と怒りに駆られたジュリアンはヴェリエールへ赴き、教会でレナル夫人に発砲。夫人は無事だったが、彼は裁判で死刑を宣告されてしまう。 絶望のなか、獄中でレナル夫人の訪問を受けたジュリアンは彼女の変わらぬ愛の深さを知り、心静かに絞首台にのぼるのであった。

原作:スタンダール『赤と黒』(光文社古典新訳文庫刊 訳:野崎歓)
監督:クロード・オータン=ララ 『肉体の悪魔』
脚色・台詞:ジャン・オーランシュ/ピエール・ボスト
撮影:ミシェル・ケルベ/音楽:ルネ・クロエレック
出演:ジェラール・フィリップ/ダニエル・ダリュー『うたかたの恋』『8人の女たち』
   アントネラ・ルアルディ 『二重の鍵』 他
ジェラール・フィリップ没後50年特別企画
赤と黒 デジタルリマスター版 Le Rouge et Le Noir
1954年度外国語映画国内興行成績第10位
1954年→2009年/フランス/182分/カラー/デジタル/フランコ・ロンドン・フィルム製作
後援:フランス大使館/配給:セテラ・インターナショナル
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