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コラム

マダム・山中の「巴里[パリ]の空の下」

ベルリン映画祭の季節がやってきました

  また今年もベルリン映画祭の季節がやってきました。 昨年のベルリン映画祭では、ちょうど『オランダの光』と『ベルリン・フィルと子どもたち』を買い付けする事が出来、とても実りある映画祭でした。この映画祭では過去にも『スペシャリスト 自覚なき殺戮者』や『父よ』を買い付けているので、相性の良い映画祭、と自分で思っていますが、なかなか毎年そうもいかず、今年はこれと言った作品に出会えそうにありません。よく考えてみるとここベルリンでいい作品に出会うのも1年おきのような気もします。ということは今年はないのかな・・・と思いながら、でもやはりいい作品に出会いたいな、という思いで試写をしたり、セールス会社の人に会ったりしています。
 今年のベルリン映画祭の特徴は、やはり戦後60周年なので、戦争を扱ったものが多いと言うことです。特にドイツのナチス物、ユダヤを題材にした真面目な作品が多いように思います。一方ゲイやレズなどを扱ったテーマの映画も多いようで、最近のベルリン映画祭の特徴の一つのようです。 それとここの映画祭はドキュメンタリーも多いのが特徴ですが、また世界的にドキュメンタリー映画に注目する傾向にあります。私もここの映画祭で『スペシャリスト』や『ベルリン・フィルと子どもたち』のような素晴らしいドキュメンタリー映画に出会えたのです。でも今年は、何か気になるドキュメンタリーも私にとってはありません。 特に『ベルリン・フィルと子どもたち』のような飛びぬけた素晴らしいドキュメンタリーに出会ってしまうと、次に何を配給しようか、と悩みます。 
 『ベルリン・フィルと子供たち』は、東京や名古屋、札幌、福岡などで公開済みですが、特に東京や名古屋ではとても満足する観客動員を得られました。特に尻上がりに口コミで映画の感動的な評判が伝わり、私も見た人から感動の声の手紙や電話をたくさんもらいました。この映画は、ドイツでは40万人以上が見て、日本でも今2万人が見てくださいましたが、まだまだ全国からの上映の問い合わせが多く、今年1年掛けて全国津々浦々での上映を予定しています。 この映画はベルリン・フィルハーモニーが行っている子供たちへの音楽教育の一環で毎年行うダンスプロジェクトの始動から本番までの6週間の模様をドキュメントしたものですが、日本でも教育関係者や多くの音楽関係の人が、色々なメディアで取り上げてくれて、映画ファンだけでなく、幅広い年代の方々に見ていただけました。上映期間中の団体鑑賞のグループもかなりあり、学校から先生が生徒を連れての鑑賞も今回はありました。今後一般の映画館だけの上映でなく、全国の教育関係機関の上映や学校でも上映も考えています。今も問い合わせが毎日のように来ていますので、今後まだもっと多くの人に見ていただく上映方法などを考えたいと思っています。

<次号に続く>
セテラ・インターナショナル 山中陽子

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