十字架と祈祷の言葉を武器に敬虔な神父が悪魔の前に立ちはだかる。世界的に大ヒットした映画『エクソシスト』。悪魔に憑かれた者を助けようとする神父たちは、映画のフィクションではなかった。現代の神父たちもカトリックの総本山ヴァチカンとイタリアを中心に、日毎膨らむ悪魔祓いの需要に対応していたのだ。これまで外部に閉ざされてきた悪魔祓いの儀式にカメラが潜入。現代の悪魔祓い師と悪魔の臨場感溢れるせめぎ合いをリアルに目撃する、禁断のドキュメンタリーが遂に誕生。
カタルド神父はシチリア島の有名なエクソシスト。科学や医療では解明できない問題や病を抱えた人たちが教会に殺到。人々はそれが悪魔の仕業だと信じている。カメラは悪魔を祓う儀式や神父の日常だけでなく、悩みを抱えた人々の日常も写しとる。監督は、イタリア出身の新鋭フェデリカ・ディ・ジャコモ。ホセ・ルイス・ゲリンの『工事中』の脚本家助手などを務めた後、本作で第73回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門最優秀作品賞を受賞。ナレーションなしで撮影対象の真の姿を浮かび上がらせ、独特のユーモアで観客を引き込む。美しい神秘の島を舞台に、究極の「癒し」の扉が開く―。