生誕80周年記念特別企画 甦るジェラール・フィリップ
 

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戦後フランス映画界に彗星の如く現れ、天性の美貌と舞台で磨かれた演技力で『肉体の悪魔』『赤と黒』『モンパルナスの灯』といった数々の名作・傑作に主演、押しも押されぬ大スターとなり、その絶頂期に36歳という若さでこの世を去った伝説的名優ジェラール・フィリップ。

セテラでは、96年度の第一回を皮切りに彼の回顧上映を行って参りましたが、彼の生誕80周年にあたる今年、それを記念して過去最大の規模で映画祭を開催することになりました。

この世を去って半世紀近くも経つにも関わらず、未だに年齢性別を超えて愛され続けるジェラール。彼の人気の秘密は、単にその美しいルックスだけでなく、舞台で培われた演技が醸し出す<本物>の存在感にあることは間違いありません。

今回の上映では、オールドファンのみならず、「フランスで永遠に語り継がれている伝説的俳優ジェラール・フィリップを若い世代の方々にも知ってもらいたい…」と思っています。

■星のない国 〈LE PAYS SANS ÉTOILES〉1946年 / フランス / 白黒
監督:ジョルジュ・ラコンブ   共演:ピエール・ブラッスール
ジェラール・フィリップの映画初主演作。前世紀に起きた事件を探っていくうちにとある村に着いたシモン。そこで出会った美しい女性カトリーヌとは不思議な運命で結ばれていた…。
本映画祭作品中、一番若く初々しい23歳の時のジェラールが観られる作品。
星なき国
危険な関係 〈LES LIAISONS DANGEREUSES 1960〉1959年 / フランス / 白黒
監督:ロジェ・ヴァディム   共演:ジャンヌ・モロー(『デュラス 愛の最終章』)
ラクロの同名小説の初めての映画化。主役のヴァルモンとメルトゥイユ夫人を外交官夫婦に置き換え、舞台を現代のパリに移した。舞台でも共演したことのあるジェラールとジャンヌ・モローの緊迫感あふれる演技が見もの。初公開当時、内容があまりに背徳的ということで上映禁止処分を受け、海外への輸出も禁止になったほど。J・モロー、アネット・ヴァディムら美女の60年代テイストにあふれるファッションとアート・ブレイキーのジャズも魅力。
危険な関係
■白痴 〈L' IDIOT〉1946年 / フランス / 白黒
監督:ジョルジュ・ランパン   共演:エドウィージュ・フィエール
ドストエフスキーの同名小説の映画化。ジェラールは初の大役、気高くも無垢なムイシュキン公爵を熱演。『双頭の鷲』等の名女優エドウィージュ・フィエールが共演。
■肉体の悪魔 〈LE DIABLE AU CORPS〉1947年 / フランス / 白黒
監督:クロード・オータン=ララ   共演:ミシュリーヌ・プレール
17歳の高校生フランソワと年上の女性マルトの短くも激しい恋の行方。夭折の作家レイモン・ラディゲのあまりにも有名な原作を名匠クロード・オータン=ララが映画化。この1作でジェラールは世界中の女性の心をとらえ、映画史に残る不朽の名作とした。
■パルムの僧院<完全版> 〈LA CHARTREUSE DE PARME〉1947年 / フランス / 白黒
監督:クリスチャン・ジャック   共演:マリア・カザレス
スタンダールの同名小説を『花咲ける騎士道』のクリスチャン・ジャックが映画化。故郷パルムに帰ってきた天衣無縫なファブリスは、宮廷の陰謀と恋の嵐に巻き込まれる。
■美しき小さな浜辺 〈UNE SI JOLIE PETITE PLAGE〉1948年 / フランス / 白黒
監督:イヴ・アレグレ   共演:マドレーヌ・ロバンソン
雨がそぼ降る海辺のホテルに現れた陰のある青年。彼の出現により、ホテル内の人間関係が微妙に変化していく。監督は『狂熱の孤独』のイヴ・アレグレ。撮影監督は名匠アンリ・アルカン。
すべての道はローマへ 〈TOUS LES CHEMINS MÈNENT À ROME〉1948年 / フランス / 白黒
監督:ジャン・ボワイエ   共演:ミシュリーヌ・プレール
『肉体の悪魔』で悲恋カップルを演じたジェラールとM・プレールが、ここではドジな幾何学者と映画スターのカップルに扮し、ギャングに追われてローマまでの珍道中を繰り広げるロマンチック・ラブ・コメディ。
悪魔の美しさ 〈LA BEAUTÉ DU DIABLE〉1949年 / フランス / 白黒
監督:ルネ・クレール   共演:ミシェル・シモン
年老いたファウスト博士は、悪魔メフィストフェレスと契約をし、若く美しい若者アンリに変身、失われた青春を謳歌しようとするが…。 ジェラールにとって初のルネ・クレール監督作品。怪優M・シモンと役柄を交互に演じ合うのも見所の一つ。
輪舞 〈LA RONDE〉1950年 / フランス / 白黒
監督:マックス・オフュルス   共演:シモーヌ・シニョレ
1900年のウィーンを舞台にした11人の男女の華やかな恋の駆け引き。ジェラールの他、S・シニョレ、アントン・ウォルブルック、ダニエル・ダリュー、ジャン=ルイ・バロー、ダニエル・ジェランなど当時の大スターの競演も必見。
愛人ジュリエット 〈JULIETTE OU LA CLEF DES SONGES〉1950年 / フランス / 白黒
監督:マルセル・カルネ   共演:シュザンヌ・クルーティエ
牢獄に閉じこめられたミシェルは、恋人ジュリエットを想ううちに、いつしかとある村へと辿り着く。そこは誰もが思い出を持たない忘却の村で、探し出したジュリエットも彼との思い出を全て失っていた…。『天井桟敷の人々』のマルセル・カルネによる哀しくも幻想的な一篇。
花咲ける騎士道 〈FANFAN LA TULIPE〉1952年 / フランス / 白黒
監督:クリスチャン・ジャック   共演:ジーナ・ロロブリジーダ
村の気のいい若者ファンファンはジプシー娘の占いにのせられて軍隊に入隊、恋と冒険の日々が始まる。ジェラールが画面狭しと飛び回る一大痛快アクション。
夜ごとの美女 〈LES BELLES DE NUIT〉1952年 / フランス / 白黒
監督:ルネ・クレール   共演:マルティーヌ・キャロル
さえない作曲家クロードはすっかり現実の世界に嫌気がさし、夜ごと美女と冒険の夢を見るが、いつしかそれが現実に。様々な時代を行き来するジェラールのスピーディで軽やかな演技が素晴らしい。
狂熱の孤独 〈LES ORGUEILLEUX〉1953年 / フランス・メキシコ / 白黒
監督:イヴ・アレグレ   共演:ミシェル・モルガン
ジャン=ポール・サルトルの原作の映画化。メキシコのひなびた漁村。折しも伝染病が蔓延する中、夫を失ったネリーは元医師ジョルジュのぶっきらぼうな優しさに次第に惹かれていく…。貴公子的なイメージのジェラールが初の汚れ役に徹した作品。
しのび逢い 〈MONSIEUR RIPOIS〉1953年 / フランス・イギリス / 白黒
監督:ルネ・クレマン   共演:ヴァレリー・ホブスン
女性を見ると口説かずにいられないリポア氏。今度は自分たちの結婚式に出席していた妻の友人のパトリシアを早速口説きにかかるが…。『禁じられた遊び』『太陽がいっぱい』のルネ・クレマンとジェラール・フィリップがロンドンを舞台にしたシニカルなラブ・コメディー。
赤と黒 〈LE ROUGE ET LE NOIR〉1954年 / フランス / カラー
監督:クロード・オータン=ララ   共演:ダニエル・ダリュー、アントネラ・ルアルディ
野心に燃える若者、ジュリアン・ソレルは自分の魅力を武器に貴族階級への転身を図ろうとするが…。スタンダールの同名小説を『肉体の悪魔』のクロード・オータン=ララが映画化したカラー文芸大作。
夜の騎士道 〈LES GRANDES MANOEUVRES〉1955年 / フランス / カラー
監督:ルネ・クレール   共演:ミシェル・モルガン
『悪魔の美しさ』『夜ごとの美女』に続く3度目のルネ・クレール監督作品。美貌のアルマン中尉は仲間との賭で、町の美女マリー=ルイーズを1ヵ月以内に口説き落とすと宣言したが、いつしか本気で彼女を愛し始めていることに気付く…。ミシェル・モルガンとも『狂熱の孤独』に続く2度目の共演。
ティル・オイレンシュピーゲルの冒険 〈LES AVENTURES DE TILL L'ESPIÈGLE〉1956年 / フランス・東ドイツ / カラー
監督:ジェラール・フィリップ/ヨリス・イヴェンス   共演:ジャン・ヴィラール
ジェラールがヨリス・イヴェンスと共同監督した唯一の監督作品。ヨーロッパで有名なティル・オイレンシュピーゲル伝説をジェラールが熱演。絵のような牧歌的なフランドル地方の再現も見どころ。
モンパルナスの灯 〈MONTPARNASSEE 19〉1957年 / フランス / 白黒
監督:ジャック・ベッケル   共演:アヌーク・エーメ
天才画家モジリアニの愛と苦悩の日々。監督は『穴』のジャック・ベッケル、モジリアニの妻、ジャンヌに初々しいアヌーク・エーメ、冷徹な画商にリノ・ヴァンチュラが扮している。奇しくもジェラールもモジリアニと同じ36歳でこの作品の1年後に世を去る。
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